和裁本について教えて下さい
和裁は以前から、母や祖母に習って、自分の着る浴衣からでした。そして小紋、色無地、訪問着と自分の着る物程度は作っておりますが、和裁の事を詳しく記してある本、お勧めの本がございましたら、お教えくださいませんか?
日本の着物というものは、追求すればするだけとても奥が深く、改めて日本の着物の良さを感じ、また後世に残す大事な伝統であり文化だと思います。
こちらで調べてみました。 京都のジュンク堂書店さんにて調べた結果が以下の通りです。
タイトル | 出版社 | 価格(税別) |
きもの百科3「帯と礼服・綿入れと寝具」 | マコー社 | 1100円 |
きもの百科4「子供和服一切と祝い具」 | マコー社 | 1100円 |
和のふだん着 | 雄鶏社 | 1000円 |
和裁裁縫 礼服編 | 雄鶏社 | 3000円 |
和裁裁縫 後編 | 雄鶏社 | 3900円 |
新しい和裁 | 永岡書店 | 1796円 |
新しいきもの作り方全書 | 文化出版社 | 2000円 |
着物の仕立て方 | 有紀書房 | 1380円 |
ジュンク堂書店 京都店
п@075-255-0101
FAX 075-255-0550
後、和裁組合が出している書籍が存在します。 これは専門家向けに作られた物なので少々むずかしいですが、かなり内容は充実して詳しくかかれているようです。
「和服裁縫」上・下2巻
定価がちょっとわからないのですが恐らく1万円以上はすると思います。
問い合わせ先は「平安企業」 075-211-4231
京都以外にも支部があるのでそちらにお問い合わせしてください。
縮んだ着物について
あまり着ていない縮緬の着物が縮んでしまいました。
仕立て直しをしたいのですが、縮やすい生地はもっと伸ばしておくべきだったのでしょうか?
いえ、逆です。
縮緬のように縮みやすい生地は仕立てる前に縮めておかなければなりません。
経験豊かな仕立て屋さんなら心得ておられます。
さて、今回のように仕立て直しが必要な場合は、専門店に依頼をして水につけるなどの方法で、仕立跡の折れ筋やへら跡を充分に消してから仕立てなければなりません。
次回はゆのしで伸ばし過ぎないように気をつけなければなりません。
ガード加工で縮みは防げますか?
以前縮緬の着物が酷く縮んだのでガード加工を薦められました。これで安心なのでしょうか?
ガード加工は雨などの多量の水は完璧に防ぐ事が出来ます。しかし残念ながら蒸気や湿気には効果がありません。従って湿気による縮みや、縮緬特有の縮みには効果は得られません。
対策は以下の通りです。
1、ガード加工(雨などの対策)
2、防縮加工(あまり期待してはいけません)
3、反物状態での湯のしで生地を伸ばさない。
4、仕立て屋さんで十分、地直し(地のし・地詰め・縮める事)をする。
ガード加工で色落ちは防げますか?
泥大島の色が帯についたのですがガード加工の効果はいかがでしょうか?
色落ちに対しての効果は分析してわずかに数字で現される程度です。残念ながら目に見える効果は得られません。
泥染めや顔料による着色は本当の意味での染めではないので、どうしても摩擦による色落ちは防げません。
昔から「本物」を呼ばれるものにはこのように実用面に欠けるものが多いです。
どちらを選ぶかは貴方次第です。
どうして肩山が移動したの?
以前購入した仮縫いの訪問着を紋入れと仕立てを依頼したら、元の肩山と袖山の折れ線が後ろに出ています。どうしてこのような事になるのでしょう?
これはまず紋入れの位置が間違っています。紋入れの職人の認識不足が原因と思われます。
繰り越し寸法を肩山の印から下に採らずに、肩山の印を繰り越し(肩あき)の印と解釈しているのでしょう。そのため本来の肩山は元の位置から前に移動したのです。
続いての原因は肩山や袖山の絵羽(仮縫い)跡を直していない事にあります。仮に手がけていたとしても生地の傷みや折れ跡などが残るため、やはり紋入れにかなり責任がかかってくるでしょう。
紋入れの際には必ず繰り越し寸法を明記しましょう。
アンティーク着物について
最近アンティークの着物がすごく新鮮に目に映ります。江戸末期から昭和の初期にかけてのものがすごく素敵。
どうして今の着物には当時のような自由で大胆な柄や色使いが出来ないのですか?
このような話題を最近よく耳にします。
流行は繰り返し、美的感覚は当然時代と共に変わります。江戸末期から明治にかけては異文化の影響を受け始め、着物がフォーマル化の道をたどり始めますが、大正、昭和にかけては、アールデコの影響も受け、モダンな柄に変わります。
正に時代を反映していたといえるでしょう。 しかし色は当然時間と共に変色していますから当時の状態ではありません。特に寒色系(紫から青)は退色しやすく、それに白は黄ばんできます。
ですから今の美しさは当時の作者の意図ではないのでしょう。寺院や仏像なども同じことが言えるのかも知れません。
アンティークの美しさは時が作り上げた、と私は解釈します。
昔の着物は紋が大きいですね?
最近、昔の着物を見る機会があったり、本なんかでもよく紹介されていますよね。
そこで気がついたのですが、紋がかなり大きいですね?それが素敵だったりとも思います。またその紋を崇めるかのように模様なんかも位置付けられていますよね。
それだけ紋が大切だったのでしょうか?
昔の結婚は家と家の結び付きという認識だったのでしょうから、女性も家紋を大切に思っていたとされます。それが着物にまで表れています。
着物につける家紋のサイズは江戸時代まで、直径の平均が1寸5分でした。ところが江戸末期には男女共に1寸2分になり、明治に入り女性の物だけが急激に小さくなりました。今では直径がその半分以下です。
今のサイズでは当時の家紋が持つ本来の美しさを充分には表現出来ません。
大正時代に付けられている華紋が、今から思えば大きく、それが新鮮に目に映ります。しかし当時の人達は小さくなりつつある家紋を見て「女性らしく可愛い」と思ったかも知れませんね。
とは言え、もう今では家紋の役割は消えつつあります。でも家紋の美しさに気づいて頂けただけでも嬉しく思います。
(家紋研究、家紋サイズ参照)
Q&Aは当サイトのBBSへの書き込みやメールでの問い合わせ等を元に制作したものです。