2.染め斑(ムラ)のチェック
染め斑(ムラ)とは、染め物の均一に染まっていない状態のことを指します。
それは模様場であったり無地場であったりもします。
模様場のムラは手差し友禅の場合に多く、手作りの味と難との見解が難しいといえます。
さてここで取り上げたいのは、一反の反物の中で極端に地色が濃淡に染め上がってしまったものや、色目の違うものなどの難物のことです。
これらの難は反物状態では分かりにくく、お仕立て後に初めて発覚することが多いです。つまり本仕立てや仮絵羽の合い口(縫い合わさる部分)により色違いが見えてくるというものなのです。
これらは色ヤケと混同されることがありますが、染めムラには前述した展示ヤケのようなパターンはありません。
ですから反物状態では殆ど見つけにくく、お直しが必要なものについてはお仕立て後になるでしょう。
仮に反物状態で色違いが発覚した場合、お仕立てになるまでに、下直しをしておいた方が良い場合があります。
それは仕立て上がってからの色合わせのリスクを少なくするためのものです。
直し代 が高額になる恐れのある時、無地染めなら色抜きをして染め直した方が安くつく場合もありますから、業者の方によくご相談下さい。
ガード加工は仕立て後、問題がないか全てをチェックしてからにしましょう。
これはガード加工が色掛け作業の妨げになるためです。
以上の直す手順についてはヤケ直しの場合にも同様です。