未仕立て品の見極め方

3.シミのチェック

シミと一口に言っても様々なものがあり、直せるものもあれば直せないものもあります。
また直せるものも簡単なものから難しいものがあり、特に破格商品については十分なチェックが必要です。
直すのが困難であったり不可能なものとは、変色した古いシミです。
付いた当初は見えないモノでも、そのほとんどはやがて黄色く、進めば茶色っぽくなってきます。
また多くのシミは熱をかけることにより、落としにくくなったり、落ちなくなります。
ではどのようなものがあるのか例をあげてみましょう。

1.カビ

最初は白く出ます。この段階では水洗いなどで綺麗に落ちてしまいます。
しかし変色まで進むと漂白が必要となりますが、織物や染め物の多くは不可となってきます。
破格商品には長く眠っていたものもあり、生地の両面にわたり十分なチェックが必要です。

2.汗

付いた当初は乾けば見えなくなることが多く見過ごしてしまいます。
そして黄色く変色してきて初めて発覚するという、始末の悪いものです。
未仕立ての着物とはいえ油断は禁物です。
お店や展示会での試着の際に付着ことも多々あります。

絵羽もののチェック箇所は、まず両胸の袖付け下あたりです。
変色してなくても水型のようなものが見えれば要注意です。
反物といえども安心はできません。小紋や付下げなども着物の形に試着できますから要注意です。
また汗をかいた手で着物に触れるのも危険です。少量のものは変色してきて初めて発覚しますから、非常にやっかいなものです。お買い物される皆様もお気を付け下さい。
汗は水洗いで落とせますがこれも変色すれば漂白しなければならず、上記同様の問題が起こってきます。

3.口紅、ファンデーション

これらも試着時に付く可能性が高いため、新たに付けないようご注意頂きたいものです。
しかしこれら油性のシミはベンジンなどで落とすことができるため、さほどの問題ではありません。

4.血液

知らない間に手を怪我していた。こういう時にうっかり付けてしまします。
付いて直ぐなら簡単に落とせますが、ここはやはりプロに任せた方が良いでしょう。
気をつけないといけないのは、時が経ってなくも熱をかけると落ちにくくなるということです。
例えば購入後の湯のしやアイロンは禁物です。
体液などの動物性タンパクは、熱によって固まる性質があります。決してお湯などでも洗わないで下さい。