合成紋
家紋の変化系の一例として「合成紋」がある。
紋章には一つの紋から構成される「単紋」と、二つの紋、またはそれ以上で構成される「複紋」が存在する。この複紋は家紋変化系の一つの合成紋に分類される。
合成紋には同じ紋を組み合わせて数を増やしていくものと、他の紋の組み合わせで数を増やすというものの二種類が存在する。
かつて家と家との結びつきから二つの全く違った紋章を組み合わせる合成紋が女紋としても多く存在した。
後にはこの合成がより複雑に重なり合うものも現れる。しかしそれらは家紋としての重みや威厳は増していくが、女紋としての優美さからはかけ離れていくようである。
ところがこのようにデザイン的には洗練されない紋章でも「紋帖にない紋」や「由緒ある紋」などとして、希少性やステイタスシンボルとして揺るぎない価値が置かれていたようだ。
中でも家紋としての威厳を持たせながら、より優美な紋章としているものを一部紹介しておこう。
三割踊桐に四ッ目 |
三追菊葉に三割菊 |
三追掛折松葉に 三割唐花 |
抱稲に鬼蔦 |
比翼紋(ひよくもん)
合成紋の一種で、男女のそれぞれの紋章を形を変えず、重ね合わせ並べたもの。
意味合いを持たせる事を目的としたもので、他の合成紋のように一つの紋章として作られたものではない。
角立四ツ目に揚羽蝶 |
八重桔梗に光琳中陰蔦 |