色立体との出会い
私は小学校の頃、画材の色鉛筆やパステルなどの色を眺めるのが好きであった。
しかしどうもその並び方の一部に不自然さを感じていた。
色の順番の流れは分かるのが、淡い色や濁った色の位置関係に無理がある、そう思えて仕方がなかった。
自分でも並べ替えてみるのだが、結局は納得がいかないのである。
そしてその疑問が一挙に解ける時が来た。
それは中学1年生一学期の美術の授業の事、先生が教壇に持ち込まれた物に目を奪われた。
何やら色が棒状になっていて、例えるならその形状がウニのようであった。
先生から説明があり、それが「マンセルの色立体」であるという事が分かった。
そして色相、彩度、明度の3属性の説明を受けた。
色相
「色合いの変化を示し、その立体を上から見る事で確認出来る。」
彩度
中心から出ている色の軸を抜き取って説明された。
「鮮やかさの度合いで、中心の無彩色から外に行くほど鮮やかになる。この軸は鮮やかさの変化であり明るさは同じであるから白黒写真で写せば皆同じに見える。」
明度
「明るさを表す。上にいく程その度合いは高くなり、下に下がるほど低くなる。」
私は衝撃を受けた。それは正に目から鱗であった。
色の構成は立体でなくては説明がつかず、平面上の説明では無理が生じるのである。
しかしこの授業でこのように心踊らせたのは私だけであったように記憶している。
いつしかその色立体が欲しくなり20年後に購入、今でも私の目を癒してくれている。