ここでは具体的にシミ抜きを解説致します。
シミを落とすのにはどうするのか? プロが教える、しみ抜きの方法。
あなたは間違った処置をしていませんでしたか?
あなたが許される処置はここまで。
我々、染色補正業者は状況を見極めた上で、離脱・漂白・色掛けの三つの行程(マップ参照)のそれぞれを使い分けたり、また、組み合わせることにより作業を進めていきます。
その中でも 消費者の皆様方が試みて頂いても良いものは、数ある染色補正行程の中の離脱作業一つだけで、さらにその中の極一部が限界です。
※ ここで言う離脱とは絹繊維に付いたシミを取り除くことです。
汚れを取る時は濡れた布を使用する事が多いと思います。確かに濡れた布でもある程度の汚れを移し取る事は可能ですが、より効果を上げる方法があります。
乾いた布は水分を吸収するという性質があり、生地の濡れていない方(乾いた方へ)へ浸透していきます。 この時、シミも水と一緒に移動をしてしまいます。
つまりシミを水と一緒に乾いた布へ移動させる、これがシミを取る基本です。
水性のシミを落とす場合、水に濡れた布でシミの部分を拭いたり叩いたりしてはいけません。布に含まれていた水分がシミのある生地へ移動し、さらに水に溶けたシミも繊維の奥へ深く染み込んでいきます。
※この時、布を持って叩くのは危険です。生地に対して垂直に叩いているつもりでも角度が変われば擦れてしまいスレを起こします。 布を生地の上に乗せ、その上から叩く、もしくは押さえましょう。
油性が水性かを判断する。(重要)
油性のシミはまずベンジン。水性のシミは水(初期段階)
食べ物のシミは油性と水性の汚れの両方が混ざり合っている事が多い。
作業手順
1. ベンジンで油気を十分に取り除く。
2. 次に水での作業を進める。
例外
水性のシミの中でも例外として上げられるのが「泥はね」や「血液」です。
必ず完全に乾いてからベンジンを使用したブラッシングをして下さい。
この作業でだいたい半分ぐらいに取り除く事が可能です。
これはシミを溶かして取り除くのではなく、ブラッシングにより汚れの固まりを壊し、剥がれた汚れ部分を洗い流すということです。
水性のシミは水によって溶けます。
溶けにくい場合は中性洗剤を助剤に使うと効果的です。
注意しなければならないのが、絹は水を含むとふやけて少しの摩擦でもスレを起こすという事です。
摩擦によるスレを防ぐためにはシミを充分水で溶かし、シミ落とし作業における生地への負担をなるべく少なくするにあります。
しかしそこで問題があります。
シミは溶けるのと同時に繊維の中に入り込もうとする事です。
作業に入る心構え
水によって溶けたシミが繊維の中に入り込む前に取り除く。(生地を摩擦しないで素早く別の布物に移し取る事が重要)
そして何よりもこの作業を素早く繰り返すことが要求されてきます。
これをマスターするにはテストパターンを何度も繰り返し練習する必要があり、我々プロでも何年もかけて修行し、ようやく修得できる職人技なのです。
ご家庭でも出来ないわけでは無いのですが、ここはやはり専門家に任せるのが無難と言えるでしょう。
ベンジンで落とせる範囲が安全
スレを起こさず染色加工における損傷が一番少ない
ベンジンを使用してシミを落とす方法は生地をふやかす心配が無いのでご家庭でも出来る範囲と言えるでしょう。
衿のファンデーションの落とし方を例に説明しています。
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