しみ抜き講座

正しい「きもののお手入れ」の知識を入れてあなたの大切なお着物を守りましょう。
昔から伝えられてきたシミ抜き方法は着物を普段着としていた時代のもので、ウール・木綿などを対象としてきたものが多く、これらの方法は絹には当てはまりません。
高価な絹の着物を大切にするために絹・染め物、そしてシミとはどういうものなのかを知って頂きたいと思っております。
微力ながらも私どもがあなたのお着物を守るお手伝いを致します。

※しみ抜き講座では便宜上「汚れ」を「シミ」と言っております。ご了承下さい。

はじめに

始めに必ずお読み下さい。
着物のお手入れにはコツがあります。このシミ抜き講座では消費者の皆様が試みても良いという範囲だけをご紹介します。
ですから、もちろん機械や漂白剤といったものは一切登場しません。

このコンテンツではシミの落とし方を具体的に説明していきます。

シミ落とし作業とは染色補正業の初歩的な作業でしかもその極一部でしかありません。
我々、専門家(業者)はそれぞれの事業所や手がける職人によって、その道具や機械、また薬品や洗剤、そして作業の方法・順序など様々あり、自分自身にあった方法をとっているのです。
しかしこれらのシミを落とすという作業には物理学上共通したものがあり、ご家庭でも出来る作業がいくつかあります。

ここで先にお断りしておかなければならない事があります。
それは決して、ご自分でシミ落としをする事をお奨めしているわけではないという事です。
何故ならば私ども(専門家)は毎日のように、消費者の方々の間違った方法(知識)で行ったシミ落とし作業の後始末に追われているからです。
何もしていない方が完璧に直り、しかも安く上がる事を本当にご理解して頂きたいと思います。
それでも自分で直したい、という方もおられるかと思います。
そのような消費者の方々に
「ご家庭で触ってもらえる範囲をお教えしたい、間違った知識を正してもらいたい」
という気持ちを込めこのコンテンツ作成に踏み切りました。

この上まだ脅かすつもりはないのですが、 シミ落としに使う溶剤(ベンジンも含む)は人体に対して非常に有害です。
目に入る・皮膚につく・吸入する・飲み込む、等のないよう防御策はしっかりしておいて下さい。
そして最も怖いのが火災です。
火の気がない所で作業するのはもちろんですが、専門家でも恐れているのが静電気です。
静電気による出火の可能性が常に隣り合わせなのだという事を頭に入れておいて下さい。
ベンジンで濡れている時の生地の摩擦や着用の衣服との間に発生する可能性を秘めています。

対処方法としてポリエステル系の衣類を避ける事や気化した溶剤(ベンジン等)のガスを早く確実に外へ逃がす事です。
このガスは空気より重いので必ず部屋の下を這うように流れます。我々の作業場では吸気口を上へ排気のための換気扇は下(床に接する壁面)に設置することが常識となっております。
ご家庭では扇風機などを使って必ず空気の流れを作って下さい。
ベンジンはふたの閉まる安定性した容器を使用し、消化器もお近くに用意しておくことが望ましいです。

以上の事を踏まえて先へお進み下さい。あなたのお着物をお守り出来ることを祈っております。


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