No.01
はる
うちの家紋は抱き茗荷ですが、母も、母方の祖母も、そして父方の祖母も、なぜか喪服の家紋が下がり藤。
どうやらお嫁入りのときにそれぞれ作ったものをそのまま使っている様子。
(作り直すときも,前の家紋のまま作らせたらしい)
管理人
俗にいう女紋ですね。しかしお母様方とお父様方が偶然にも「下がり藤」なんでしょうかね?
女紋は主に西日本に多い習慣です。そして約束事はその地域やその家によって様々となってきます。
はるさんはどの辺りの方でしょうか?
はる
私の実家は群馬県の北のほうで、父方は昔から地元民の商家。
母方はもともと会津の武家出身で戊辰戦争に敗れたあとに新潟に移り,その後に群馬に移り住んできたということです。
父方祖母は「喪服は結納の時に相手に作ってもらうもの」と言います。
当然相手の家紋がついていて、さらに相手が本家(もしくは本家の後継ぎ)なら丸が付いていて、次男以下や分家筋ならば丸がついていないと思ってるようです。
それって商家の風習のようなんですが……。
(実際にこういう風習があるのかも不明。他の高齢の方に聞いてもよくわからない)
ところが話が複雑なことに、父方の祖母は元は真田家につながると称する豪農の家に生まれて(でも何故か家紋は下がり藤)嫁入り道具の中に実家の家紋をつけた黒紋付を持ってきたのですね。あとからいろいろ新しく作るときも、ちゃっかり下がり藤のまま。おいおい。
母方は「嫁入り道具に喪服を持つのがステイタス」みたいな感じでしっかり実家の家紋を入れていきます。で、下がり藤。母方の祖母は,祖父とはいとこ同士だったから、もともと同じ家紋で下がり藤。
偶然にも、下がり藤が目の前にたくさん。(笑)どれも丸がついていない下がり藤です。女紋というより、勝手にやってるように思います。
群馬の老舗の呉服屋では、喪服一式を結納セットとして飾ってあることも。
丸の有無の話を除いて、本来は結納のときに相手の家に作ってもらう、という考え方の人は群馬では多いように思います。
ただ,これから結婚する人がそれをするとは思えないけど……。
(エンゲージリングとかで終わるよね、たぶん)
ただ、あくまでも「本来は」です。実際には、結婚したあとに実家のお母さんに買ってもらう、というケースが一番多いのだと聞きました。
そのときに実家の家紋より相手の家紋を入れることのほうが多いと思う、とのことです。(高崎・前橋の老舗呉服屋)そういう意味では群馬には女紋の風習は無いのでしょう。
着物は、母と娘というつながりで継承される面が強いためか私は結婚して数年立ちますけれど、呉服屋では訪問着など見せてもらうと
「実家のお母さんにご相談して,いかがですか」
というセールスの仕方をされることが多いですね。
管理人
女紋の事ですが、こちらの調べでは群馬も新潟も女紋という習慣がないようです。
だからそちらでは結婚を期に紋が変わるのが普通でしょうね。
ただ、父方のお婆様が持ってこられた下り藤は、西日本地域に見られる習慣に近いですね。お母様の下り藤もよく似たケースですね。
どちらも女紋というよりは「私紋」とでも申し上げた方がよいかも知れませんね。