No.09
きよみ
女紋には外枠の”丸”がないものが多いとのことですが、逆に家紋には必ず外枠の”丸”はあるものなのでしょうか?
景一
>逆に家紋には必ず外枠の”丸”はあるものなのでしょうか?
いえ、それは違いますよ。
「丸」を付けるというのは、数ある家紋変形パターンの一つなのです。
分かりやすく言いますと、家紋の原型にはほとんど丸はありません。
本家から分家へと家紋の区別を必要とした時に、家紋を変形するのですが、その時に原型を残すという約束事があります。
その変形パターンの一つに「付加」があり、基本形に何かを付け加える訳なのです。
その中に「外枠」があり、「四角」「六角」「八角」「菱」「丸」があり、まだまだ他のあるのですよ。
そしてその「丸」にも細いのから順に上げると、「毛輪」「糸輪」「細輪」「中輪」「丸輪」「中太輪」「太輪」「厚輪」「蛇の目輪」とその巾にもこれだけある訳なのです。
あと「二重輪」「三重輪」「陰輪」「子持輪」「竹輪」「菊輪」「梅輪」「月輪」「雪輪」「外雪輪」「源氏輪」「藤輪」「片藤輪」「波輪」「すすき輪」「唐草輪」「雁木輪」などなどまだまだありますよ。
これ、全部「輪」なのですよ。「丸」はその中の一つです。たしかに一番多いですけどね。
では何故多いのか?
そもそもこの「丸」が増えだしたのは着物に家紋を付けだした頃とされています。その方が収まりも良かったのでしょうね。デザイン的に良いという事なのでしょう。と同時に丸は男の領土を表すとかも言い出した訳なのです。それに家紋としての威圧感もありますね。
家紋とは別に女性だけの紋をつけるようになった時に、それらの理由から、またデザイン的にも「丸」などの外輪を外した方が良いとなったのでしょうね。
逆に外輪を付け加える事で女性らしさを表現する場合もあります。「雪輪」「藤輪」などが代表的ですね。また「丸」を「細輪」「糸輪」などに圧縮する場合もあります。
きよみ
お返事ありがとうございました。
あんまり詳しく答えて下さったので、びっくりしました。紋にもちゃんと歴史があるのですねー。流行もあったり。とにかく種類が多いのにびっくり。「丸」さえも数種類あるなんて・・・。感心してしまいました。
私が結婚の準備で百貨店にて袱紗を作った際、聞いていた嫁ぎ先の紋には外枠がなく、定員さんに「これは女紋で家紋には領土を示す外枠があるはず」と言われ、とまどいました。
とにかく聞いていた通りの外枠なしの家紋にしてもらったのですが、その時からずーっと疑問に思っていたのです。これですっきりしました!!!
景一
>紋にもちゃんと歴史があるのですねー。流行もあったり。とにかく種類が多いのにびっくり。「丸」さえも数種類あるなんて・・・。感心してしまいました。
そうでしょ、すごいでしょ!
ところで女紋についてご不信に思ってらっしゃる方が多いようですね。
この掲示板でもこのご質問が最近続いているんですよ。
>私が結婚の準備で百貨店にて袱紗を作った際、聞いていた嫁ぎ先の紋には外枠がなく、定員さんに「これは女紋で家紋には領土を示す外枠があるはず」と言われ、とまどいました。
このように呉服関連業者でさえ情報が無さ過ぎるんですね。
これではお客様に不信感を与えても仕方がないです。土地に伝わるごく一部の情報を教えられたのでしょう。今度このような事があった時はしっかりと教えてあげて下さいね。
因みに、きよみさんはどちら方面の方なのでしょう?情報として興味があります。
もし差し支えなければ教えて頂きたいのですが。
きよみ
実家も嫁ぎ先も大阪です。ちなみに私も母から女紋を引継いで、それは揚羽蝶です。母の里は淡路島。
西日本に多いとのことをホームページで見てなるほどと納得していました。
主人の実家は関東方面のようで、主人は女紋のことは初めて聞いたそうです。
地方でそんなに違うなんておどろきです。
景一
>主人の実家は関東方面のようで、主人は女紋のことは初めて聞いたそうです。
>地方でそんなに違うなんておどろきです。
なるほど! 私の調べた通りですね。母系紋は西日本に多いでしょ?これは女性の力に関係がありそうですね。つまり女性が財布を握っているとかという事です。あくまでも統計的な話ですけど。